遭遇

こんな処に書いても大丈夫……だと思うんですが。
自宅から駅までの道のりの途中にとあるマンションがあります。
その前には、そこの住人が車や自転車やバイクが停められようになっています。
先日、深夜1時帰宅途中、人が歩いていないのをいいことに、いつものように超苦手なパルマ(手拍子)の練習をしながら歩いていたんですが。音は勿論極力小さくしてね。
そのマンションの前を通るとバイク置き場にもぞもぞと動く人影が見えました。
覗き込んでみるまでもなく、1台のバイクの後輪に屈む人影と、その足元にはバイクの防犯用らしきチェーン。
一応はまあ女性なんで(一応かよ)、夜道は人がいない方が気は楽。いる方が却って怖い。
なのですれ違うタイミングはその人影を少し意識しながら歩いてました。でも手はパルマ中なんですが(笑)。
するといきなり「何見てんだよ」と怒鳴られたかと思うと、その手に握ったチェーンからは防犯用ブザーの音。
慌ててチェーンから手を離し、また一言。
「見てんじゃねえよ」
そう言いながら私の進行方向とは逆方向に歩きだしバイクから離れていきました。
すれ違う私の背中には更なる罵声。
?……えっと……あれって……・…今のって……バイク泥棒だったんだぁ。
ここに到ってやっと気づきました。


だってさあ、まあ落ち着いて考えようよ。
マンションの前に人が居れば、そこのマンションの住人だと思うじゃん?
住人がチェーンを取り付けている最中だって、思うと思わない?
何も言わずに、チェーン壊してバイクで走り去っても、手元がはっきり見えなきゃ全く気づきゃしなかったわよ。
雉も鳴かずば撃たれまいつうか。
これが『朱色』にあった犯罪の証拠は死体が語るのではなく犯人が語るってやつなのか(いや違うだろ)と思ったりとか。


なかなか貴重な体験でした。